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手でつむぎ、草木で染める
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Photograph by Gilles ESPIASSE
洗う人、梳く人、紡ぐ人、織る人。手でつむぎ、草木で染め、織り機に向かう。少なくとも4人の女性の手を経てようやく完成するじゅうたん。
木の道具をくるくる操り、ふわふわの羊毛を糸の形状に変えていく。シュウィーヤ・ブ・シュウィーヤ(ゆっくり、ゆっくり)。ウールの毛糸ができあがると、次は染め。
朱は茜の根っこから、藍はインディゴ、カナリア・イエローは木犀草。ピスタチオは藍と木犀草の二度染め。紫は調合が明かされていない、魔術師秘伝のレシピによるマジカル・カラー。
それぞれの人生の中で、家族のために食事を作り、家を磨く。その日常の中でひとときの許された時間にだけ、じゅうたんのために手を動かす女性たち。
彼女たちのまとめ役は口すっぱく言っている。
「気が晴れない時には決して織らないで」
「幸せな時にだけ織りなさい」
廃れつつある伝統技術を復興し、継承してゆく取り組み。この先、彼女たちと末長く関わっていくための新たな試みを日々思案している。
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